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1984から92までの8年間に亘って本学の学長を務められた豊口協先生が、2009年春の叙勲で旭日中綬章（きょくじつちゅうじゅしょう）を受章された。昨年9月27日に国際文化会館（港区六本木）で開催された「豊口協さんの受章を祝う会」には、学園の小田理事長、本学の諏訪学長、桑沢デザイン研究所の内田所長、島崎校友会長とともに、本学創立以来インダストリアルデザインを教えておられた豊口先生の教えを受けた卒業生たちも多数参加した。旭日中綬章といっても、縁のないわれわれにはピンとこないが、今は廃止された等級でいえばかつての勲三等にあたる。春の叙勲受章者4,000人中、その受章者は40人と、1％に過ぎない有り難い勲章なのである。デザイン界ではおそらく初めてではないかという。叙勲対象は「社会の様々な分野における功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた者」。豊口さんは本学の学長を退かれたのち長岡造形大学の設立に関わられて学長、さらには理事長として現在までデザイン教育に携わっておられる。その長年にわたる私学振興に対する功労が主な授章理由である。同章の同時受章者には小説家の阿刀田高氏や俳優で映画監督のクリント・イーストウッドなどがいる。さて、そんなおめでたい出来事をみんなでワイワイお祝いしてしまおう、というデザイン関係の人々150人近くで、会場は大変にぎやかであった。司会進行役を務めた不肖益田が、ごあいさつに立った諏訪学長を、豊口元学長着任時51歳という記録を塗り替えた本学の若き学長、とご紹介すると、豊口先生、「卒業生から学長が出ればもう安心」と握手を交わしていた。参加者全員と精力的に語り合い一度も着席しなかった豊口先生は、満75歳とは思えない若々しさだが、ごあいさつの中で奥様の労をねぎらいながら涙ぐみ、言葉に詰まる一幕もあった。楽しく、明るく、懐かしい祝賀会であった。
益田文和 4期 ID専攻
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