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吉田直嗣 31期 デザイン学科 デザインII類
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口縁部の繊細な薄さと、端正なフォルム。
シンプルで美しい形状の黒と白の器たち。ストイックで物静かな佇まいの吉田直嗣さんの作品は、器を扱うギャラリーだけでなく、ファッション関係のセレクトショップから現代美術を扱うギャリーまで多くの人を引きつけています。
東京造形大学デザイン学科デザインII類卒業後、陶芸家の黒田泰三氏に師事し、3年間修行した後に独立され、現在は富士山の麓に窯を構えています。



――デザイン学科 デザインII類 室内建築専攻ですが、陶芸との出会いは。

 大学の陶芸部です。当時の陶芸部は卒業後陶芸家として活躍する先輩も多く、実家が窯元の部員がいたりとても盛んな部活でした。授業にはあまり出席していませんでしたが毎日夜中まで大学(部室)にはいました。誰かが僕を捜しにくるときは、部室にいけば見つかるといわれるほど皆勤でした。

 陶芸部で作陶のキャリアをスタートさせたことは今に影響はありますか。
あると思います。  陶芸部といっても指導者はいなかったので、本を読んでは試す、失敗する、また試すの連続で自分たちで学びました。
 この時に、焼き物に関しては失敗するものだ、というスタンスであらゆる実験をしたことは財産になっています。
 現在の黒い釉薬も学生時代の試みをベースにしています。
 ガラス質が固まったのか粘土質が固まったのかわからない質感の黒が欲しかったのですが、セオリー通りの安定した釉薬では、どこかで見た事のあるつまらないものになってしまいました。学生時代に無茶な方法も含め、あらゆる方法を試した中でみつけた不安定な釉薬でハイリスクですが独自の質感をだせるので僕にとってはハイリターンといえます。


――卒業後すぐに陶芸家の黒田泰三氏に弟子入りされたのですか。

 卒業してはじめの就職先は伊豆高原で観光客相手の陶芸教室の先生でした。
 ただ、在学2年生の頃から「陶芸で(作家として)食べていきたい」と考えていたのですぐに退職しました。その後、大学の先生や先輩の作家さん達に相談するなかで、黒田泰三さんの工房に弟子入りすることになりましたが、風まかせでなんとか辿り着いた感じです。3年間師匠の轆轤仕事を間近に見て、仕事が終わってから自身の作品のために轆轤をひく毎日でした。


――2003年に独立されましたが、作品の中で一番大切にされていることは何ですか。

 すべての行程の中で轆轤が一番すきで最も大切にしています。
 焼き物の要素として「色も含めたテクスチャー」「形」「使いやすさ」などありますが、僕が興味があるのは「形」だけです。もちろん器ですから最低限の用途は無視してはいけません。使いやすいことは大前提で、その上で形が美しいかが大切です。色に関しても、形・フォルムを際立たせるために他の要素はいらないので、自然と黒と白を選びました。 


――学生時代を振り返って東京造形大学の良さはなんですか。

 1〜2年生の頃は「写真」など専攻外の授業も履修でき、それがおもしろかったです。


――最後に今後の展示のご予定教えてください。
 2016年6月に「hiromiyoshii roppongi」にて二人展を行います。
 今までもファッション関係のセレクトショップなど器専門のギャラリー以外でも展覧会を行ってきましたが、主に現代美術を扱うギャラリーでの展示ははじめてなので楽しみです。



略歴
1976年 静岡県産まれ
1996年 東京造形大学入学
2000年 東京造形大学卒業
    陶芸家黒田泰蔵氏に師事
2003年 静岡県にて築窯
    以降各地にて個展等


hiromiyoshii roppongi
2016年6月25日〜7月9日
〒106-0032
東京都港区六本木5-9-20
開廊時間=13:00 - 19:00

休=日、月、祝日

Tel: 03-5772-5233
Fax: 03-5772-5223
Email: info@hiromiyoshii.com

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