ZOKE.NET HOME PAGE
校友会員ウェブギャラリー
 
協賛団体展覧会レポート 第1回 花とみどり・いのちと心 展
■Gallery TOP

■Friends Gallery

■留学生 Report


 

故)渡辺隆根先生の声掛けで団体公募集団や無所属等の垣根を越え、同人の集まりとして結成された現代日本彫刻作家連盟。彫刻家の彫刻の為の展示を上野の都立美術館で6回、箱根の彫刻の森美術館で2回、計8回開催しました。
 様々な反響や賛同を受ける中で国営昭和記念公園から開催協力があり、花みどり文化センターギャラリー全室を使っての特別展開催が実現しました。5月31日から6月29日までの約一ヶ月間、都美館の約2倍の広さの展示です。国営昭和記念公園と現代日本彫刻作家連盟の共催の形をとり、展覧会の名称どうり"花とみどり・いのちと心展"と自然との関わりをテーマにしました。各作家の思い思いの形が集まりますが、招待作家には自然素材の方が多くなってしまいました。初めて多摩地区での発表は感慨深いものがありますが、それよりここで何ができるのかというやる気と期待の方が勝りました。それほど立体を展示するには素晴らしい会場でした。



 国営昭和記念公園の前庭的広場の一角にある無料の施設で、不特定多数の方々が行き交う憩いのスペースです。以前の美術館での展示では、観に来て頂ける客層は美術を観るために美術館を訪れる限られた方々だけでしたが、今回の施設のガラス張りの開放的空間と公園内の公共のスペースという条件を活かし、既存の美術館での彫刻だけの展覧会と違う展示を試みました。
一般の人たちが多く来場することで、展覧会を通じて様々な出会いとふれあいを持てる場の提供を目的にしました。彫刻や平面作品に接して貰うのはもとより、野外彫刻の設置、NPO団体の展示、発表の機会が少ないエイブル・アートの並列展示、子供や親に参加してもらい作家と交流するワークショップなど新しい展開を行いました。 
 世界的に活躍している作家から地元美大出身の若い有望な新人まで招待し、表現の幅を持たせ、広い空間と建物の特徴を活かした平面と立体の展示になりました。青い空と芝生の野外スペースにも石彫・金属作品の8点を展示し、子どもたちに人気を博しました。



“のぼらないでください!”という注意書きを無視して、身の丈もある石彫に登る子どもたちは自由奔放で微笑ましい光景で、隆根先生の作品は何十年もそこに設置してあるかのように記念撮影の場所として馴染んでいました。
 ものづくりの観点から障害者の支援をしているNPO3団体と、震災から当時3年を経た仮設の人々に、ものづくりで心の支援をしているNPOの展示を行いました。東北のチラシを熱心に見入る観客もいて、忘れてはならない記憶を呼び覚まし、この会場が出会いとふれあい、絆の場になれた良い一面でした。ハンディーキャップを負った障害者の芸術と一括りの展覧会で特別視されるエイブル・アートを一般の作家と並列展示し、混在することで空間の相乗効果に大いに貢献していました。
 ワークショップは2講座を土日の4日間開催しました。立川市は基地と飛行機に縁のあ
る場所なので、紙ヒコーキと飛行体作りの講座にしました。はじめの土日は悪天候で集客は望めませんでしたが、次の飛行体は親子の参加で盛況で、講師の高田洋一氏もパフォーマンスを交えて大奮闘でした。ゆっくり風を受け落下する飛行体は形の違いで様々な動きをするので親御さんの方が夢中になるほど楽しいものでした。入学前の小さい子が飽きずに1時間半も作り続けていたのには驚きました。未来を背負う子供達とのふれあいや
コミュニケーションの大切さを感じたイベントでした。
 今年の秋にも第2回展開催予定です。地元の若い作家を多く取り入れ、地域とのつながりや交流を図りながら、続けていけたらと思います。

13期 美術学科 彫刻専攻 児玉士洋 



展覧会概要
第1回 花とみどり・いのちと心 展

会期:平成25年5月31日(土)〜6月29日(日)
会場:国営昭和記念公園 花みどりセンター(ギャラリー1〜5・野外) 

校友会関係の出品者名 (11名)
青野 正  岩崎順一  宇多花織  児玉士洋  椎名良一  花田 麗
樋口恭一  菱田 波  松本憲宜  富松 篤  野上零大
他の造形大学関係者(先生) 故)渡辺隆根  永廣隆次  出品者34名中13人

主催
:国営昭和記念公園・現代日本彫刻作家連盟
後援:立川市
協賛:東京造形大学  朝日新聞文化財助成金対象事業


Copyright©2005-2008,ZOKEI FRIENDS OFFICE. All rights reserved.