私は、シュトゥットガルト・アート・アカデミー(ドイツ)にVisiting studentとして教授Thomas Bechingerのクラスに約一年間在籍した。 Visiting student は制作スペースをもらえ講義への参加は自由といったものだったので、始めはアトリエでの制作に専念した。クラスには週に一度ミーティング(講評会)があり、2、3人の学生の作品について議論した後、美術館やギャラリーにクラスで行き教授の進行のもと議論をするといったものだった。語学の問題もあり講評会で作品を発表することについては消極的だったが、クラスメイトの一人が「みんなあなたの作品に興味があるし、ドイツ語ではなく英語で話すようにするから発表したら」と言ってくれた。クラスメイトは本当にみな優しくて、私は予想以上にクラスに馴染むことができた。 三ヶ月目に作品を講評会で発表した。私は油彩を3作品出し一時間ほど意見や質問を受けたが、意見が飛び交う状況についていくことに必死だった。内容はというと、絵画の具体的な内容(色や線、形、質など)についての意見が多く少しアカデミックな雰囲気を感じた。講評会は作者より作品を中心に進められ、自分の作品を客観的に観ることができる良い機会だった。そして、みな次々と発言し、話が途切れない状況にとても驚いた。