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大量生産で安価なファストファッションが溢れ、使い捨て感覚で消費される服がある一方、海外のビックメゾンが作るステータスのある高価なブランド服もある。鈴木崇之さんの作る服はそのどちらにも属さない東京のデザイナーズブランドと位置づけられる。
サイクルの早いファッション界において、「時間と調和」をコンセプトにオーガニックコットンやリネンなど素材をいかした丁寧で繊細な服作りを続けている。
在学中から服作りをはじめ、ミュージシャンへ衣装提供を
現在は自身の名を冠したブランド「suzuki takayuki」、「suzuki takayuki Men’s」、オーガニックコットンに特化した「ikkuna/suzuki takayuki」、ウエディングライン「suzuki takayuki マリアージュ」に加え、劇団の舞台衣装、即興で服を作るパフォーマンス等々「服」を媒体に縦横無尽に表現の幅を広げている鈴木崇之さんにお話をうかがいました。
――デザイン学科環境計画のご出身ですが服作りをはじめたきっかけをおきかせください。
もともと服は好きでしたが服作りの知識は全くありませんでした。
大学1年の時「GLAMOUR (CS祭のファッションイベント)」に企画として関わったことがはじまりで、3年生では造形計画の友人と学外で展示会をひらきました。4年生の時に六本木のギャラリーK2で開いた展示会をきっかけに、雑誌「装苑」に載ったり、宇野亜喜良さんの紹介で舞台衣装の仕事がきまったりして大きなターニングポイントになりました。
ー―美大出身のファッションデザイナーは珍しいのでは。
建築は建築、グラフィックはグラフィック、ファッションはファッションと個々の技術面での方法論はありますが、「デザイン論」でいうと全てに共通しているので、大学で学んだ「デザイン論」は今でもいきています。またはじめは、服を固めたりしたオブジェのような作品だったので画商が買ったりしていました。好きなように服をつくり続けていたらファッションデザイナーになっていたという感覚です。
ー―ブランド立ち上げの2002年頃は1点ものの服によるコレクションを発表されたそうですが、アートピースに近い感覚でしょうか。
ファッションには色々な要素があります。Tシャツもあればテーラードスーツもあるように、ビジネスの側面もアートの側面も。ビジネスとしての成功のみを考えればもっと作れる方法はありますが、それではつまらない。
どれかに割り切る事はせず、その時の自分の衝動を大切に活動しています。今は工場で生産していますが常に「ものづくり」というスタンスが強くあるため今でも1点1点にヴィンテージレースを配したりしています。
――いままでも様々なアティーストへ衣装提供や企業とのコラボレーションなど多岐にわたる活動をされてきましたが今後の展望を教えてください。
自身のブランドの新作発表以外に、今年は劇団「マームとジプシー」の衣装やダンスカンパニー衣装など、舞台に関わることが多いです。
また今後はつくる人も着る人も含めて情報交換ができるような場をつくっていけたらと思っています。価値観を共有する人が集まる駅のような存在の場になればおもしろいと思っています。
Designer : Suzuki Takayuki ( スズキタカユキ )
1975年愛知県生まれ。 東京造形大学在学中に友人と開いた展示会をきっかけに映画、ダンス、ミュージシャンなどの衣裳を手掛けるようになる。 2007年より東京コレクションに参加。 同年、オーガニックコットンに特化した「ikkuna/suzuki takayuki」を スタート。 2009年には、Milano Unicaでのイベント「オン・ステージ」に世界の新鋭デザイナー10名の中の一人として選ばれ、合同ショーに参加。 2012年には、インドにて開催された「Wills Lifestyle India Fashion Week」で合同ショーに参加している。
UNIQLO や agete など様々な企業とのコラボレーションや、アートユニットTENKI、即興パフォーマンスプロジェクトの circo des sastre への参加も行い、また最近では、ウェディングドレスの制作や舞台美術のデザインを手掛けるなど活動の場を広げている。
brand : suzuki takayuki ( スズキ タカユキ )
women's
女性が本質的に持つ美しさを引き出すため" 時間と調和" をコンセプトに 繊細で緊張感のある服を創りつづける。
men's
「時間の経過」をコンセプトとし、実験的なアプローチとリアリズムが同居する上質なワークウェアを提案していく。
www.suzukitakayuki.com
costume
movie:「スキヤキ・ウエスタンジャンゴ」三池崇史監督作品、「新しい靴を買わなくちゃ」北川悦吏子監督作品、
「たまたま」小松真弓監督作品、「CUT」アミールナデリ監督作品、「弥勒」林海象監督先品 etc.
actor: 大泉洋、窪塚洋介、柄本佑、小栗旬、嵐、松坂桃李 etc.
actress: 萬田久子、蒼井優、仲間由紀恵、尾野真千子、剛力彩芽、武井咲 etc.
dance:平山素子、川野眞子、矢内原美邦、森山開次 etc.
music:絢香、持田香織、安藤優子、中島美嘉、BUMP OF CHICKEN 、ゆず、コトリンゴ、元ちとせ etc.
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<スズキタカユキ>
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