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高須賀活良 40期 デザイン学科 テキスタイル
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ものづくりに出会う前
私は言葉が苦手です。
それは義務教育が始まった小学生の頃から、自分の感情を言葉で説明することに対して異常なまでの引け目を感じていました。なぜみんなはそんなに自分の考えを整理して人前で言葉を使い、自分のことを語ったり表現できるのかと、いつも不思議でした。そして、その感情はだんだんと自分の劣等感に変わり、高校生になる頃には、自分は言葉を使って他人に感情をうまく伝えることができない人であると自覚するようになっていました。
言葉だけじゃない表現
東京造形大学に入学してからも言葉に対するコンプレックスは抜けず、その反動から、とにかく手や体を動かし、自分の感覚を総動員させることで作品を生み出すスタイルで制作を行っていました。そんな学生時代の中で、私は作品を作る前の素材や原料に興味が向いていることが段々とわかってきました。
特に大学で勉強していたテキスタイルデザイン専攻領域は、人類が何千、何万年も前から行ってきた衣食住の「衣」と「住」に深く関わる分野です。それは、人類が言葉を持っていなかった時代から存在していた根源的なものづくりの一つであり、自分が作品を制作し、テキスタイルを生み出すことで、今まで言葉だけでは説明のできなかった感情や表現ができるのではないか、という可能性を感じ始めていました。
自分の言葉としてのテキスタイルがある
卒業制作では、昔から好きだった昆虫採集のように、素材を探しに行き、その素材を使って服を作るという制作を行いました。「土から始まるものづくり」というコンセプトのもと、大学周りの山に分け入り、繊維になりそうな草木を採集し、糸を紡ぎ、布を織り、服型の作品を作りました。当時、自分の卒業制作に対して言葉ではうまく説明することができなかったのですが、制作を終えて作品と対峙した時、初めて作品から自分の考えを読み解くことができました。その時、作品を作ることは、自分にとって感情や考えを伝えるための言葉であるということを強く認識しました。
そもそも、昔は布を作ること自体、神への捧げ物であったり、戦地へ向かう大切な人への願いであったり、言葉を超えた人間の思いそのものであった歴史を考えると、言葉だけに支配されて生きづらさを感じていた自分が、テキスタイルの世界に出会うことで救われた気がしました。
テキスタイルを作り生きていく
私にとっての作品は素材との対話の中で生まれる物であり、その作品は素材のそれ以上でもなく、それ以下でもありません。
素材とは自然から頂く命そのものである。そして素材を知るという事は、長い間続けてきている人と自然との関わりを知るという事であり、現代を生きる人々と自然との在り方を見つめ直すきっかけとなるのではないかと思っています。私はそんな当たり前でもあり、忘れてもいた感覚を、作品を作ることで再認識していきたいと思っています。
高須賀活良
1986年東京に生まれる。東京造形大学でテキスタイルデザインを学ぶ。在学時は日本各地を旅し、その土地にある素材にインスピレーションを受け作品を制作。大学院では、モノづくりの始まりは「土」からであるというコンセプトのもと、原始布の研究をし、2011年 修士号を取得。現在はアーティストとして国内外で作品の発表の他、織物産地でのテキスタイルデザイン、ファクトリーブランドの立ち上げ、アートディレクターとして幅広い分野で活動中。2016年からは山梨県富士吉田・西桂の織物産地プロジェクト「ハタオリマチのハタ印」総合ディレクターに任命。
受賞歴
2008 第48回日本クラフト展 〈プロジェクト エコサークル〉学生賞受賞
2008 再生デザイン大賞 〈炭椀〉優秀賞受賞
2009 東京造形大学卒業制作「SAIBAIMAN」zokei 賞
2009 JFW ジャパン・クリエーション 2010「planet」入選
2009 MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD
2009 SAIBAINMAN」柏木博賞受賞
2009 MOLESKINE 「myDetour Tokyo」優秀賞
主な展示歴
2009 KATSURA TAKASUKA 展 galarie laurant/ 東京 ( 展示 )
2008 TSUTSUMU スウェーデン大使館 / 東京、スウェーデン交流センター / 北海道
2011 TEXTA! Spiral Garden/ 東京
2011 The Japan Contemporary Fiber Art Exhibition〜 共鳴する繊維 多摩美術大学美術館 / 東京
2011 I love 絹 (2 人展 ) 群馬県立近代美術館 / 群馬
2012 染織のための自然素材展 クロステン / 新潟
2013 スロバキア 日本交流ミニアチュール展 外交樹立 20 周年記念 /Gallery of Slovak Art's Union / スロバキア
2014 cloth&memory 2 salts mill/ イギリス
2015 SAIBAIMAN 土から始まるものづくり展 / アンデルセン公園子ども美術館 / 千葉
2015 そのかたち、そのそざい 布ーいろいといろ / プラザノース / 埼玉
2015 高遠エフェクト / 信州高遠美術館 / 長野県
2015 bi chu watabokkee ー気から糸へ ・アートinレジデンス / 遊美工房 / 岡山
2018 記憶する布 / 森の小屋 / 静岡
職歴
2009 東京造形大学 デザイン学部 テキスタイルデザイン専攻 卒業
2011 東京造形大学大学院 造形研究科 デザイン研究領域 卒業
2011−2013 山梨県富士工業技術センター 臨時職員
2013−2015 東京造形大学 テキスタイルデザイン専攻領域 助手
2016〜2018 武蔵野美術大学講師
2015〜2019 東京造形大学非常勤講師
2016〜織物産地、山梨県富士吉田市・西桂町の総合ディレクター
2019〜東京造形大学 テキスタイルデザイン専攻領域 助教
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