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■花田 麗  34期生 留学先:イタリア・カラーラ国立美術大学彫刻科
<2003年度第7回校友会留学奨学生レポート>
 
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 イタリアのアカデミア間では学生が転校することが出来るシステム、またEU圏内での交換留学システムもあるため、学生によっては自分にあった場所を求めて、他のアカデミアの情報・特色を収集しますが、カラーラの特色はヨーロッパ彫刻史において欠かすことの出来ない大理石の産地であり、多くの石材所と大理石工房を抱えいているということでしょう。また、別校舎を置くピエトラサンタと言う町には半径1キロメートル以内に9箇所の鋳造所が存在すると言われ、また大理石工房も数多く、職人の町でもあります。このような環境を背景にイタリア人学生はもとより多くの留学生、そしてアーティストたちも制作の場を求めてやってきます。学内においては、国籍も年齢、経歴も異なる友人たちの中から自分が制作する上でテーマとして来たものへの裏打ちと、自分にはない彼ら独自のものの見方による新たな問題提起、学外においては職人や作家たちの政策の現場から得られる技術的な知識は、自分自身の表現の追求と展開を求める上で確かな足掛りになっていると思われます。
 授業は、ほぼ自由な制作で進められますが、その分作品に対して説明を求められことも多く、はっきりとした作品に対する意見・理論を持つことが好まれます。さらに学生たちは、各地で行われるシンポジウムやコンクールを、作家としての体力・フットワークを試す実践的な場として積極的に情報を求め、その情報量はかなりのものと言えるでしょう。また、年間にヨーロッパ各地で行われるアートフェアに足を向けることにより、ヨーロッパでのマーケットとしてのアートがどのようなものであるのか、活動を続けていく上で自分がいかなる方向性をとるべきかということは考えざるを得ない事項として向き合うことになります。
これらの環境は、外国人の学生たちの持つ活力の源であると言え、私自身にとっては日本で見出すことの難しかったものであり、今、自分が身に付けるべきである物だと感じています。
 最後になりましたが、このような環境の中で制作し生活すると言うことは、私にとって貴重な経験と刺激であり、校友会及び関係者の方々の活動の更なる発展を願いつつ、この度この奨学金を受けさせて頂いたことに改めて感謝いたします。 

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